床矯正について

 

「小児歯科」には一般(成人)歯科には無い「咬合誘導」という重要な役目が含まれています。「咬合誘導」とは文字通り「歯並びを正しく導く」ことであり、乳歯と永久歯の交換期にしかできないことです。一般に矯正は乱れた並びを正すものですが、咬合誘導は歯並びが乱れないように顎の発育を促し、歯並びを整えます。つまり咬合誘導=叢生予防と考えて良いでしょう。

すぐできる子供の歯並び簡単チェック!

さて、お子さんの歯並びをよく見てみましょう

 
現在の状況
現在の問題点と将来の予測
チェック1
笑顔の時に前歯(乳歯)が綺麗に並んでいて隙間がない、もしくは凸凹している。
乳歯は「すきっ歯」が理想的。このままでは永久歯の歯並びは凸凹したものになります。
チェック2
下の歯の方が上の前歯よりも前に出ている。

いわゆる「受け口」(反対咬合)です。自然に治る確率は5-10%程度です。

チェック3
永久歯が乳歯の横(前後)に生えてきていてるのに乳歯が動いていない。
乳歯から永久歯へのバトンタッチが上手くいってないようです。早期に乳歯を抜歯します。

もし、1つでも当てはまるものが有れば早期の受診をお勧めします。大人になって叢生(歯並びが悪い)がある場合、その予兆は必ず子供の頃に見られたはずです。子供の頃に対処していれば比較的簡単に正しい歯並びを作れたのに、対処が遅れた結果が叢生です。

毎日出来る叢生予防!!

ここでは毎日家庭で出来る叢生予防方法をお知らせします。もちろん開始時期は早いほど良く、永久歯の前歯4本が生えるまで(小学校1〜2年)が勝負です。犬歯(3番目の歯)が生えてからでは床矯正の期間も費用も大きく変わってきてしまいます。

1.食生活

最近の欧米化が進んだ食生活では「噛む」事があまり要求されません。また「子供が早く食べやすいように」小さくした食べ物を与える事も多いでしょう。しかしそれは本当に子供のために「正しい」ことなのでしょうか?。昔に比べてどんどん噛む回数は減ってきており、それに伴って人間の顎の大きさも小さくなってきました。考えてみればこれは当然なことであり人類の顎には“廃用萎縮”が起きているのです。そして欧米において「矯正がごく一般的=矯正をしなければならない子供が増えている」ということに他なりません。歯並びが悪くなる最大の原因は「顎の骨の成長が不十分な事」です。毎日の食生活にチョットした工夫をする事で噛む回数は増えます。(例:フランスパン、イカ、タコ、魚の干物、ガム(シュガーレス)etc)毎日使う部分が成長するのは生体にとってごく当たり前の事です。

@子供にはドンドン噛む物を与えましょう!@大きな食べ物にかぶりついて噛みきることも必要です

2.悪習癖(くせ)

毎日何回も行われる悪習癖は矯正の力よりも大きく、歯並びに影響を与えます。(例:ほおづえ、指吸い、爪を噛む、唇を噛む)また、くせとは異なりますが口呼吸(こうこきゅう=口で息をする事)も危険です。常に口の開いている子供の場合、鼻が詰まっている場合もありますから耳鼻科を受診しましょう。悪習癖が残ったまま矯正を行っても後戻りをしてしまいます。癖を直しただけで歯並びが治る場合も多いのです。

3.乳歯の早期喪失

乳歯は本来後続永久歯がはえるまでスペースを確保しなくてはなりません。ところが後続永久歯がはえる前に早く抜けてしまったり、むし歯で大きな穴が開くと奥の歯が前に詰めてきます。その結果、歯が並ぶスペースが短くなり綺麗に並ばなくなります。やむなく早期に抜歯を行う場合は代わりになる装置を入れる事が必要です。

 

それでも歯並びが悪くなってきたら・・・

それでも歯並びが悪くなってしまった場合、歯列矯正が必要になります。当クリニックでは乳歯列〜混合歯列期の子供を対象とした床矯正(しょうきょうせい)によって歯列の矯正を行います。床矯正はワイヤーを固定する一般の成人矯正とは異なり、取り外しの出来る装置を使用して歯の移動を行います。成人矯正と簡単に比較してみましょう

 

床矯正と成人矯正の比較

床矯正
成人矯正

開始時期

 

永久歯の抜歯

顎の大きさ

自分で外せる?

自分で何かするの?

 

治療中の予防は?

3歳〜(型取りが出来る事)

犬歯が生える10歳位までが理想

骨の成長を利用して非抜歯がほとんど

積極的に発育させる

食事の時、学校などでは外してOK

毎日自分でネジを巻きましょう

主役は子供自身です

装置を取ってしっかり歯磨き!

中学生〜高校生

永久歯が生えそろってから

抜歯のケースが多い

抜歯する為、大きくなりにくい

自分では外せない

自分では特に何もしなくてOK!

歯科医にお任せ

装置は取れないからむし歯に注意

床矯正費用

項目
費用

診断料(レントゲン、模型、口腔内写真)

拡大装置(平行、前方、後方の1個目)

拡大装置(同タイプの装置2個目以降および紛失時)

ブラケット治療(ワイヤーを使用した場合)

リテーナー(移動後に使用)

(装置については1個あたりの費用です)

調整料(月の初回)

調整料(同月2回目以降)

21,000円※1

63,000円

31,500円

63,000円

21,000円

 

2,100円

1,050円

※1:兄弟、姉妹が既に当クリニックで治療を受けられている場合は半額の10500円

費用と期間については症例ごとに異なりますが、装置の数が少なければ少ないほど費用は一般に安く済みます。

 

治療費参考例(目安です)

1.乳歯列期(3〜5歳)の反対咬合

・診断料+拡大装置(上顎1つ)+リテーナー=105,000円(調整料除く)

 

2.混合歯列期(6〜9歳)の叢生(前歯の乱れ)→最も多いケース(症例)です

(軽度)・診断料+拡大装置(上下各1つ)+リテーナー(上下)=189,000円(調整料除く)

(中程度)・診断料+拡大装置(上下各2つ)+リテーナー(上下)=252,000円(調整料除く)

 

床矯正治療上の注意点


当クリニックで床矯正治療を行うにあたり、以下の内容を熟読して頂き、同意を頂いた後に治療を開始させて頂きます。

1,当クリニックでの床矯正治療は4歳〜10歳の乳歯列および混合歯列(乳歯と永久歯の混在した歯列)を治療対象とします。

2.混合歯列期に行う床矯正治療は将来的に完成する永久歯列の結果を保証するものではありません。当クリニックで床矯正治療を終了し、永久歯列完成時に一般矯正が必要な場合には当クリニックの提携した矯正専門医を紹介させて頂きます。この場合は当クリニックに於いて床矯正治療で生じた装置代を一般矯正治療から軽減させて頂くことが可能となります。

3.床矯正では毎日一定時間(12時間以上)装置を装着してネジを巻かなければ歯は予定通りに動きません。1装置の使用期間の目安は約半年ですので、試用期間が半年を超えて長期になる場合は当初の予定通りに治療結果が得られない場合があります。

4.経過観察を行う途中で口腔内清掃が不良な場合は注意を行います。注意が度重なった場合は治療を一旦中断する場合があります。

5.治療開始後は毎月来院をして頂き、装置の破損や適合状態の経過観察を行います。特別な理由が無く、途中で来院が3ヶ月以上中断した場合は治療継続の意志が無いものとして一旦治療を終了します。その後治療を再開するにあたり、床矯正での対応が困難になった場合は当クリニックの提携した矯正専門医を紹介させて頂きます。また、装置の再作成が必要になった場合は費用を負担して頂きます。

6.床矯正治療において装置は非常に重要です。装置の紛失や明らかな不注意による破損が生じた場合は装置作成費用を再度負担して頂きます(拡大装置31,500円、リテーナー21,000円)。


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